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新しいドメイン、いきなり大量送信は絶対NG!GoogleやMicrosoftに「信頼される」ための準備期間とは?

みなさん、せっかく作ったメール届いていますか?!

こんにちは!プリモポストの日吉です。新しいウェブサイトを作ったり、会社名が変わったりして、新しいドメインを取得することがありますよね。真新しいドメインでのメール送信は、なんだか新鮮な気持ちになりますし、「よし、これからたくさんのメールを送って、お客さまとの絆を深めるぞ!」と、期待に胸を膨らませる気持ちもよく分かります。

しかし、ここで一つ、絶対にしてはいけないことがあるんです。

それは、「新しいドメインで、いきなり大量のメールを送ること」です。

「え、どうして???ダメなの!?」

と驚かれた方もいるかもしれませんね。実は、新しく取得したばかりのドメインは、GoogleやMicrosoftのようなメールの受信BOXを提供している会社から見ると、まだ「身元不明」の存在なんです。

例えるなら、生まれたばかりの赤ちゃんが、いきなり大声で流暢な言葉を話しても、周りの大人が「え、うそでしょ(笑)何事!?」と驚き、すぐにその言葉を信用してくれないのと同じです。信頼関係を築くには、時間と段階が必要ですよね。

もし、この「身元不明」のドメインから、何の準備もなしに大量のメールが送られてきたら、プロバイダーは「これは迷惑メールを送るスパム業者かもしれない!」と判断し、あなたのメールをブロックしたり、迷惑メールフォルダに入れてしまったりする可能性が非常に高いんです。

せっかく時間と労力をかけて送ったメールが、誰にも読まれずに終わってしまう..。これほど悲しいことはありませんよね。

大切なメールを確実に届けるため、そしてGoogleやMicrosoftに「このドメインは信頼できる!」と認めてもらうために、この「準備期間」について、今日は分かりやすく解説していきますね。

株式会社プリモポスト 取締役
メール到達 エバンジェリスト
日吉 浩之

2006年より一貫してメール配信の最前線に携わり、業界歴19年の経験を持つ。
メールマーケティングの成功を左右する「開封率向上」と「確実なメール到達」を二大テーマとし、そのための本質的な要素を追求。
世界の最新情報と最先端テクノロジーをいち早く日本に導入し、常に進化するメール環境下で、企業さまのデジタルコミュニケーションを最適化する道を拓いています。
メール到達のスペシャリストとして、複雑な課題を解決し、お客さまのビジネスを次なるステージへ導きます。

新規ドメインは「ゼロ」からのスタート!必須のドメインウォームアップ

なぜウォームアップが必要なのか

新しいドメインは、まるで生まれたばかりの赤ちゃんのように、メールの世界では何の「実績」も「評価」も持っていません。そのため、以下のような理由で、いきなり大量のメールを送ると、プロバイダーから「スパマー(迷惑メールを送る人)」と判断されてしまうんです。

実績がないから不審がられる

これまでメールを送った履歴がないドメインから、急に何千、何万通ものメールが送られてきたら、プロバイダーは「普段ほとんど活動していないのに、急に大量のメールを送り始めたぞ..何か怪しい企みがあるのでは?」と警戒します。

これは、急に大金を動かす口座が監視されるのに似ていますね。

信頼度がゼロ

GoogleやYahoo!メールは、過去のメール送信履歴や、これまでのドメインの評価(前回までの記事でお話しした「ドメイン評価」や「IP評価」ですね)を元に、メールの信頼性を判断しています。

新規ドメインにはその履歴がないため、信頼度は文字通りゼロからの出発となります。

ブラックリスト入りのリスク

一度スパマーと判断されてしまうと、そのドメインは「ブラックリスト」というリストに載ってしまい、そこから送られるメールは二度と届かなくなる、という最悪の事態になりかねません。ブラックリストに載ると、そのドメインでのメール運用は事実上不可能になってしまいます。

このような事態を避けるために、新しいドメインでメールを送り始める前に、少しずつプロバイダーからの信頼を築いていく作業が必要になります。これを「ドメインウォームアップ(Domain Warm-up)」と呼びます。

ドメインウォームアップは、Googleなどが提供する受信BOXに

  • 「このドメインからのメールは、正当なものですよ!」
  • 「ちゃんとルールを守って送っていますよ!」

と、少しずつ教えていくようなイメージです。マラソン選手が本番前にウォーミングアップをするように、メール送信も準備運動が必要なんですね。

具体的なウォームアップの進め方

では、具体的にどのようにウォームアップを進めていけば良いのでしょうか?一般的なウォームアップの方法は、「少量から配信を開始し、徐々に送信量を増やしていく」という、いたってシンプルな原則に基づいています。

まるで、まだ慣れていない新しい道で、最初はゆっくり走り始めて、少しずつスピードを上げていくようなものです。一般的なウォームアップの手順は次の通りとなります。

最初の数日間はごく少量から

最初の1週間程度は、1日あたり数十通〜数百通程度のごく少量のメールからスタートします。当社は1日2通の配信からスタートしています。

この時送るメールは、エラーになりにくく、確実に届くであろう「良質なリスト」(例えば、自社社員や、普段からやり取りのある取引先、最もアクティブなお客さまなど)に絞るのがポイントです。困ったら自分の家族でも構いません。

開封やクリックなどの反応が良いメールを送ることで、「このドメインのメールは、ちゃんと読まれているぞ」という良い実績をプロバイダーに示すことができます。これが信頼構築の第一歩です。

徐々に送信量を増やしていく

数日間、良い実績が確認できたら、次の数日間は送信量を少しずつ増やしていきます。例えば、1日あたりの送信量を1.5倍〜2倍程度に増やしていく、といったイメージです。

この際も、エラー率や迷惑メール報告率が急激に上がらないか、Google Postmaster Toolsなどで注意深く監視することが大切です。もし異常値が出たら、一時的に送信量を減らすなどして調整しましょう。

参考資料:Google Postmaster Toolsについて

目標送信量に到達するまで続ける

あなたが最終的に送りたいメールの量に到達するまで、この作業を数週間から最低1ヶ月かけてじっくりと行います。

期間はドメインの種類(新規、取得1年以上)や送りたいメールの量、そしてプロバイダーからのフィードバックによって異なりますが、焦らず、安定した評価を保ちながら進めることが最も重要です。短期間で無理に送信量を増やそうとすると、かえって逆効果になることがあります。

ウォームアップ中は、エラーになるアドレスをすぐにリストから除外したり、迷惑メール報告が来ていないか確認したりと、リストの健全性を保つ作業も同時に行うと効果的です。

このウォームアップ期間を設けることで、あなたの新しいドメインは、プロバイダーから

「このドメインは、きちんと管理された、信頼できる送信元だ」

と認識され、将来的に大量のメールを送っても、しっかりと受信トレイに届くようになる基盤を築くことができるのです。これは、長期的なメールマーケティングの成功に直結する、非常に大切なプロセスなんですよ。

ドメインウォームアップを頼みたい時はどうすれば良い?

新規ドメインのウォームアップが必要なのは分かったけれど、

  • 「自分でやるのは難しそう..」
  • 「どこに頼めばいいか分からない」

とお悩みでしたら、ぜひ一度める配くんにご相談ください。あなたの大切なドメインのウォームアップを行う専門家の紹介も行っております。

専門家と協力することで、より確実に、そして効率的にドメインの信頼性を高め、あなたのメールがお客さまに確実に届くようになります。新しいドメインでのメール配信を成功させるために、ぜひ「ドメインウォームアップ」を意識して取り組んでみてくださいね。

まとめ:新しいドメインも、優しく「育てる」気持ちで!

今回は、新しいドメインでメールを送り始める際に、なぜいきなりの大量送信がNGなのか、そしてGoogleに「信頼される」ための必須作業である「ドメインウォームアップ」について解説しました。

  • 新規ドメインは信頼度ゼロ:いきなり大量送信すると迷惑メールと判断されるリスクがあります。
  • 必須のウォームアップ:少量から始めて徐々に送信量を増やし、Googleなどが提供する受信BOXからの信頼を築きます。
  • 焦らずじっくりと:数週間〜最低1ヶ月かけて段階的に実施することが成功の鍵です。

新しいドメインも、まるで大切な植物や赤ちゃんを育てるように、愛情を持って丁寧に信頼を築いていくことが、長期的に成功するメールマーケティングの秘訣です。

このウォームアップをしっかり行うことで、あなたのメルマガは、将来にわたって多くの人に「届く」ようになるはずですよ。

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